こんにちは、かいとうです
プロボクサーにとってパフォーマンスを下げずに、安全に体重を落とすには、食事・水分・睡眠など多角的な管理が欠かせません。その中で注目されているのが MCT(中鎖脂肪酸)オイル。
本記事ではなぜ MCT オイルが減量期のボクサーにプラスになるのか、どんなタイミングでどれくらい使えばいいのかを分かりやすくまとめました。
1 MCTオイルってそもそも何?
- ココナツやパーム由来の脂肪を「中くらいの長さ」に切り分けたオイル。
- 体に入るとすぐ 肝臓→血液→筋肉 へ運ばれ、ブドウ糖のようにサッとエネルギーになる。
- 一部は ケトン体 という“第二のガソリン”に変わり、脳や筋肉の燃料にも。
- 普通の油(長鎖脂肪酸)は分解→リンパ管→体脂肪に回るステップが長い。
ポイント:胃腸〜肝臓のショートカットで「早く燃える油」というイメージ
2 プロボクサーが得られる4つのメリット
メリット | 具体的な良いこと | 裏付け |
---|---|---|
① 即効エネルギーで朝練がラク | 早朝ロードワーク前に小さじ1杯(約5 g)入れたコーヒーを飲むと、低血糖のフラつきを防ぎやすい | 中鎖脂肪は長鎖脂肪より酸化が速い報告 Healthline |
② 脂肪燃焼を少しだけ後押し | 同じカロリーでも普通の油より体脂肪の減りが平均1.3 kgほど大きかったメタ解析 | 2024年の体系的レビュー PubMed |
③ 空腹感を和らげる | ケトン体と腸ホルモンの働きで食欲ホルモン(グレリン)を一時的に抑える | MCT+ホエイの摂取で食欲低下を示した実験 PubMed |
④ 集中力キープ | 試合前の“頭がボーッとする”感覚を軽減し、戦略の判断ミスを減らす可能性 | 運動前の認知機能維持を示した2023年研究 Healthline |
3 減量スケジュール別・おすすめ摂取法
期間 | MCTオイルの使い方 | 期待できる効果 |
---|---|---|
試合6〜3週前 | 1日10 g以内を朝食・有酸素前に分けて慣らす | エネルギー切れ対策/脂質代謝のスイッチを入れる |
3〜1週前(仕上げ期) | 5〜7 g/日を維持。糖質を少し絞る日に合わせる | 空腹感コントロール/脂肪燃焼サポート |
計量週 | これまでと同じ量か、胃腸が弱い選手は半量に | 体調を崩さずエネルギー確保 |
試合当日 | 朝または昼までに最大5 g。計量後の糖質メイン食と一緒に | 認知集中+後半の持久力キープ |
- 最初は小さじ1から。いきなり大さじ1(15 g)を飲むと下痢や腹痛を起こしやすい。
- プロテインドリンクやコーヒーに混ぜると摂取しやすい
- シンプルな豆乳プロテイン+MCT+シナモンは味・吸収とも好評。
4 副作用と安全ライン
- 主な副作用:下痢、腹部の張り、吐き気。
- 安全ライン:1食10 g未満、1日20 g未満が目安。
- 対処法:
- 初日は5 g→大丈夫なら2日目に+2 gと段階アップ。
- 食事(特に野菜や炭水化物)と一緒に取ると胃腸負担が減る。
- 体質的に合わない場合は無理せず中止。
5 他の脂質とのバランス
- MCTはあくまで「瞬発エネルギー係」。
- **必須脂肪酸(青魚・アマニ油など)**はホルモン合成や炎症コントロールで欠かせない。
- 減量中は 体重(kg) × 0.8g を1日の総脂質上限に設定し、その中で
- 70%:オリーブ油・魚油・ナッツ
- 30%:MCTオイル
を目安にすると偏りにくい。 - 卵と組み合わせていくのがオススメ
6 よくある質問(Q&A)
Q1:糖質ゼロの日にだけ取るべき?
A:高強度スパー予定日は糖質を優先し、MCTは5 g以下に控えるとパワーダウンを避けられます。
Q2:パウダーとリキッドどちらがいい?
A:リキッドの方が吸収は速いですが、味が気になる人や携帯したい人は粉末タイプが便利。
Q3:試合当日に初めて飲んでもいい?
A:NG。最低でも3週間前にはテストして体調チェックしましょう。
7 まとめ
- MCTオイルは「早く燃える油」——減量期のエネルギー不足と空腹感をダブルでカバー。
- 用量とタイミングがカギ——一度に大量ではなく、5〜10 gを分割して活用。
- 他の良質な脂とセットで——必須脂肪酸を削らないバランスが大切。
- 副作用回避は段階アップ——少量スタートと食事同時摂取でほぼ防げる。
結論:ボクサーにとって MCT オイルは“必須”ではないものの、上手に使えば減量ストレスを減らし、トレーニングと試合の質を守れる即効エネルギー源。
「早朝ロードワークがつらい」「食事量を削ると集中が落ちる」という選手ほど、小さじ1杯のMCTが意外な助けになるかもしれません。
ではまた:-)
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