格闘技・ボディメイク・計量制競技の世界では、
いまだに次のような言葉が当然のように飛び交っています。
- 「水抜き前は塩を完全にカットしろ」
- 「カリウムを摂れば水が抜けやすくなる」
- 「ナトリウムは浮腫みの原因だから悪」
これらの考えは
短期の水抜き(数日〜24時間)において、全て本質を外しています。
この記事では、
- なぜナトリウム制限が水抜きに効かないのか
- なぜカリウム摂取が体重調整に意味を持たないのか
- 水抜きで本当に重要なポイントは何か
これらを解説していきます
そもそも水抜きとは何をしているのか
水抜きとは、
体脂肪を落とす行為ではありません。
目的はただ一つ。
一時的に体内の水分量を減らし、体重計の数字を下げること
つまり、勝負しているのは
- 筋肉
- 脂肪
- 体質
ではなく、水分の出入りです。
ここを履き違えると、
「何を操作すればいいか」も当然ズレます。
ナトリウム制限が意味を持たない理由
よくある誤解
「塩分を摂ると水を溜め込む」
「だから水抜き前は塩を抜くべき」
一見、正しそうに聞こえます。
しかし、体の仕組みはそんなに単純ではありません。
ナトリウムを減らすと体はどう反応するか
ナトリウムを急激に減らすと、体はこう判断します。
「体内の電解質バランスが崩れた」
「脱水の危険がある」
その結果、
- アルドステロン分泌 ↑
- 抗利尿ホルモン(ADH)分泌 ↑
つまり、
水とナトリウムを“保持しようとする指令”が出ます。
結果として起きるのは、
- 尿量が減る
- 汗が出にくくなる
- 皮下水分が残る
――つまり、体重は思ったほど落ちません。
「塩を抜いてるのに体重が落ちない」正体
これはよくある失敗パターンです。
- 水も飲んでいない
- 塩も抜いている
- 食事量も減らしている
それでも体重が動かない。
原因はシンプルで、
体が完全に“守りモード”に入っているだけです。
水抜きで一番避けるべき状態に、自分から入っているのです。
カリウム摂取が水抜きに効かない理由
よく聞く理屈
「カリウムはナトリウムを排出する」
「だから水も抜ける」
これも、半分は正しく、半分は間違いです。
カリウムはどこで働く栄養素か
重要なポイントはここです。
- ナトリウム → 主に細胞外
- カリウム → 主に細胞内
体重計で落としたい水分の多くは、
**細胞外(血管・皮下)**です。
カリウムを増やしても、
- 細胞内環境が少し変わるだけ
- 体重として落ちる水分を直接動かす力はない
短期的な体重調整において、
カリウムは主役ではありません。
むしろリスクの方が目立つ
- 摂りすぎ → 不整脈リスク
- 腎臓への負荷
- 胃腸不調
これらを冒してまで、
水抜き目的で増やす理由はありません。
水分変動を決めている「本当の要因」
短期の水抜きで、体重を左右しているのは
ほぼ次の3つです。
- 水の摂取量
- 尿・汗としての排泄量
- それまでの摂取履歴に対するホルモン反応
つまり、
水抜きとは
電解質操作ではなく、水の履歴操作
なのです。
実践的な「適切な摂取方法」
ナトリウム(塩分)
- 日常〜ローディング期間
- 一定量を安定して摂取
- 極端に減らさない
- 水抜き直前
- ゼロカットしない
- 減らすとしても段階的・最小限
目的はただ一つ。
体に「水は入ってくる」と誤認させたまま排泄させること
カリウム
- 食事由来で十分
- フルーツ・野菜を通常量
- サプリで操作しない
カリウムは
水抜きの武器ではなく、健康維持の土台です。
水分
ここが最重要です。
- 日常的に多めに飲む
- 排泄能力を高める
- ローディング後に水だけを操作
水抜きの成功・失敗は、
水で8割決まると言っても過言ではありません。
まとめ|水抜きで大切なのは「体を邪魔しない」こと
- ナトリウムを抜く
→ 体は水を守る - カリウムを足す
→ 水は勝手に出ていかない - 水抜きの本質は
体を騙すことではなく、体の反応を邪魔しないこと
自分のベストのコンディションを目指すために
今までの常識に捉われず、勇気を持って今までのやり方を変える必要があります
ベストパフォーマンスのために意味のないことはやめましょう
ではまた:-)

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