減量が本格的に始まると、多くの選手が口をそろえてこう言います。
「もう鶏胸肉を見るのもイヤです…」
鶏胸肉は、たしかに「高タンパク・低脂質」で減量にはとても優秀な食材です。
ただ、それだけに頼りすぎると
- メンタル的にしんどい
- 味に飽きて食事が苦痛になる
- 途中でジャンクに走ってしまう
といった落とし穴にはまりがちです。
この記事では、減量をする選手向けに、「鶏胸肉以外」で使いやすいタンパク質源を解説していきます。
「鶏胸肉はもちろん使うけど、他の選択肢も持っておきたい」
そんな選手や指導者の方に読んでもらえる内容です。
減量期のタンパク質に求めたい条件
まず、そもそも減量期のタンパク質に何を求めるのかを整理しておきます。
- タンパク質がしっかり取れること
- 余計な脂質やカロリーが少ないこと
- 胃腸の負担が大きすぎないこと
- 味や食感に変化をつけやすいこと
鶏胸肉は、この条件をかなり満たしていますが、同じように使える食材は他にもあります。
ここからは、カテゴリー別に具体的な食材と、現場での使い方のイメージを紹介していきます。
「白身魚」は鶏胸肉レベルの優等生
タラ・スズキ・カレイなどの白身魚
白身魚は、高タンパクで脂質がほとんどないものが多く、減量期には非常に使いやすい食材です。
- 鶏胸肉と同じくらい脂質が少ない
- 水分が多く、見た目のボリュームが出やすい
- 消化も重くなりにくい
という特徴があり、減量末期でも使いやすいのがポイントです。
使い方の例
- 夜の「白米を少し減らすタイミング」で
→ 白身魚の野菜スープにして、満腹感をキープ - 味付けを変えて「飽き対策」
→ 塩・レモン・ポン酢・味噌煮・トマト煮など、いろいろなパターンを作れる
「鶏胸に飽きた時のメインの代打」として、白身魚をレギュラー入りさせておくと、選手のストレスがかなり減ります。
マグロ・カツオなどの赤身魚
白身魚だけでなく、マグロの赤身やカツオも、減量期にうまく使える食材です。
- 高タンパクで、赤身部分なら脂質はそこまで高くない
- 鉄分やビタミンB群が多く、疲れやすい選手にはありがたい
ただし、「トロ・中トロ」になると一気に脂が増えるので、必ず赤身を選ぶことがポイントです。
使い方の例
- 練習後の回復食として
→ 白米+マグロ赤身の丼(ネギと海苔を乗せるだけでも満足感アップ) - 食欲がない時
→ 刺身やづけにして、少量でもタンパク質をしっかり取る
「魚が苦手じゃない選手」にとっては、鶏胸の単調さを救ってくれる強い味方になります。
卵と卵白で脂質をコントロール
完全栄養食
卵は、タンパク質だけでなく、ホルモンバランスに関わる脂質やビタミン類も含む優秀食材です。
ただし、黄身には脂質も含まれるので、減量末期に卵だけでタンパク質を稼ごうとすると、脂質オーバーになりがちですが、食べる量を考えればボディビルダーのように卵白と黄身を分ける必要はないです
オムレツ、卵焼き、スクランブルエッグなど、調理のバリエーションも豊富で、朝食やトレーニング前後に使いやすいのが強みです。
乳製品:ギリシャヨーグルトやカッテージチーズ
ギリシャヨーグルト(無糖・高たんぱくタイプ)
最近は、高タンパク・低脂質のギリシャヨーグルトがコンビニでも手軽に買えるようになっています。
- タンパク質がしっかり取れる
- 脂質がほぼゼロの商品もある
- カルシウムや発酵由来のメリットもある
固形物があまり入りにくい選手でも、ヨーグルトなら食べやすいケースも多いです。
カッテージチーズ・低脂肪チーズ
カッテージチーズは、チーズの中では脂質がかなり少なめで、タンパク質源としても優秀です。
- サラダに混ぜる
- 鶏胸や白身魚のトッピングにする
といった「ちょい足しタンパク」として使うと、味の変化も出せて、満足感もアップします。
カロリーゼロシロップをかけて食べればデザートにもなります
牛・豚の赤身肉は「ご褒美+コンディション維持」で
牛ヒレ・モモの赤身
牛のヒレ肉やモモ肉などの赤身は、
- タンパク質がしっかり
- 脂質は部位を選べばそこまで高くない
- 鉄・亜鉛が多く、貧血気味の選手には嬉しい
といった利点があります。
ただ、毎日たくさん食べると、どうしても脂質とカロリーが上がってしまうので、
週に1〜2回、「ご褒美+体調ケア」として入れる
くらいのイメージが現実的です。
豚ヒレ・モモの赤身
豚のヒレやモモの赤身も、減量期にうまく使える食材です。
- 比較的リーズナブル
- ビタミンB1が多く、炭水化物をしっかり取る時期には相性が良い
牛より手を出しやすい価格なので、「たまに鶏胸の席を譲る相手」として、メニューに入れておくとバランスが良くなります。
エビ・イカ・タコで「噛む回数」を増やす
エビ・イカ・タコは、
- 高タンパクで脂質が少なめ
- 噛みごたえがある
という特徴があります。
この「噛みごたえ」が実は大事で、しっかり噛むほど満腹感が出やすく、食べ過ぎ防止につながると言われています。
減量でお腹が空きやすい選手には、
- サラダにエビを乗せる
- イカ・タコを炒め物に加える
といった形で、**“噛むおかず”として活用するのも一つの手です。
※痛風などの既往がある場合は、量に注意が必要です。
プロテインパウダーは「補助」として使う
最後に、プロテインパウダー(ホエイ・カゼイン・ソイなど)についても触れておきます。
プロテインは、
- 脂質がほとんどなく
- タンパク質量が計算しやすい
という点で、とても使いやすいですが、あくまで“補助”という位置づけが大切です。
- 固形物でどうしてもタンパク質が足りない
- 練習前後で食事の時間が取れない
- 胃腸が疲れていて、消化の軽いものにしたい
といった場面で、
「主食・主菜の足りない分を埋める」
という感覚で使うと、バランスが取りやすくなります。
まとめ|鶏胸肉以外でも痩せれる
減量期のタンパク質源として、鶏胸肉が優秀なのは間違いありません。
ただし、鶏胸肉だけに頼りすぎると、
- メンタル的なストレス
- 食事への嫌悪感
- 突発的なドカ食い
につながるリスクが高まります。
鶏胸肉を「主役」としつつも、
- 白身魚
- マグロ赤身・カツオ
- 卵+卵白
- ギリシャヨーグルト、カッテージチーズ
- 牛・豚の赤身肉(頻度を絞って)
- エビ・イカ・タコ
- プロテインパウダー
といった食材を上手に使うことで、
減量中でも「食事の楽しさ」を完全には失わずに、体重を落としていくことができます。
選手それぞれの好みや予算、胃腸の強さ、仕事や学校の状況によって、
使いやすい食材は少しずつ変わります。
大事なのは、
「鶏胸しか選択肢がない」状態に自分を追い込まないこと
です。
同じタンパク質量でも、食材のバリエーションが増えるだけで、減量のストレスはかなり変わります。
日常の「タンパク質ローテ」に、今日紹介した食材を少しずつ取り入れてみてください。
ではまた:-)

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