こんにちは、かいとうです
「ウェイトを持つと動きが重くなる」「体重が増えて階級を上げざるをえない」
日本のボクシング界ではいまでもそんな声をよく耳にします
しかし世界のリングで勝ち続ける選手たちは、しっかり筋トレを取り入れながらも軽快に動いています
要はやり方と量を間違えなければ、筋トレは“武器”になるということです
筋トレがもたらすメリット・デメリット、実践プログラムの効果までをまとめます。
1. 筋トレがボクサーにもたらす6つの利点
- パンチの威力アップ
下半身から拳まで力を速く伝える“バネ”が強まり、一撃で試合を決める力が伸びます。 - 瞬発力の底上げ
軽い重りを素早く動かすトレーニングを併用すると、スタートダッシュやカウンターが鋭くなります。 - 体重1kgあたりの筋力を高められる
高い重さを少ない回数で持つ期間を設ければ、体重をほとんど増やさず力だけ上げられます。 - 減量中の筋肉減少を防ぐ
食事を絞るほど筋肉は落ちやすくなりますが、低回数の筋トレを継続すれば守りやすくなります。 - ケガ予防
肩・ひざ・腰まわりの筋肉が強まることで、練習量が増えても故障しにくい体になります。 - 骨を強くする
バーベルでの縦方向の負荷は骨密度を刺激し、長いキャリアを支えます。
2. 気をつけたい5つの落とし穴とその対策
落とし穴 | よくある失敗 | すぐできる対策 |
---|---|---|
体重が増えすぎる | ボディビルのように回数・種目を増やしすぎる | 1回あたり3〜6回、全身で週合計12〜18セットに制限 |
動きが遅く感じる | 重いウェイトばかりでスピード練がゼロ | 軽い重りを全力で速く動かす日を週1回入れる |
技術練とのバッティング | ハードな筋トレ直後にスパーリング | スパー前日は休むかスピード系で短時間に抑える |
疲労が抜けない | 減量末期も高ボリュームを継続 | 試合3週間前からセット数を通常の半分以下に |
フォームが崩れてケガ | 腰が丸まったデッドリフトなど | 最初の4週間はフォーム習得だけに集中する |
3. 実戦で役立つ筋トレプログラム例
- 準備期(試合12〜20週前)
- 目的:筋肉の土台作り(増えても+2〜4kg以内)。
- 方法:スクワット・ベンチプレスなど6〜10回×3セット。最後は少し余力を残す。
- ポイント:1セット終わるごとにジャンプや軽い投げ動作で“速さ”を忘れない。
- ビルド期(8〜12週前)
- 目的:最大筋力と瞬発力。
- 方法:重さを上げて3〜5回×4セット。セット間を長めに休み、高い集中力を保つ。
- 仕上げ期(4〜6週前)
- 目的:スピード維持と疲労最小化。
- 方法:軽い重りをできるだけ速く動かす。セット数は通常の半分。
- 減量ピーク(2週前〜計量)
- 目的:筋肉を守りつつ回復を優先。
- 方法:全身を短時間で動かすサーキットを週2回、15分程度。
4. よくある疑問Q&A
Q1. ランニングだけじゃダメ?
A. 心肺を鍛えるのはもちろん大切ですが、瞬間的な威力やケガ予防はランだけでは補えません。
Q2. 体重が増えて階級オーバーしない?
A. 1回3〜6回の低回数で行い、食事を少し調整すれば体重はほとんど増えません。筋肉を増やしすぎて…と言ってる選手のほとんどが脂肪が付いてるだけです
Q3. 減量末期は完全に休んだほうがいい?
A. やめると筋肉が刺激を失って減りやすくなるため、短時間の軽い刺激を残すほうが安全です。
まとめ
- 筋トレは階級制スポーツでも必須。適切に行えばパンチ力・瞬発力・ケガ予防の全てに効果。
- 落とし穴は「やりすぎ」。量とタイミングを調整すれば体重増や動きの重さは回避できる。
- メディシンボール投げは軽い道具でスピードを伸ばし、減量期にも活躍。
- 最重要ポイントは「最小限で最大の効果」。迷ったら重さより速さ、量より質を選びましょう。
筋トレと減量を賢く両立し、「軽いのに強い」理想のコンディションでリングに立ちましょう。
ではまた:-)
コメント