こんにちは、柊(ひいらぎ)です
少し前に、元TOKIOの山下さんが飲酒運転で現行犯逮捕されました
以前からアルコールによる不祥事が続いていた方ですが
この手のニュースが話題になると
「お酒くらいなんでやめられないんだ」
というコメントが散見されます
“依存症”という立派な病気であるにもかかわらず、根性論で治るように勘違いされている節もあるように感じます
今日はそんなアルコール依存症についてまとめていきます
アルコール依存症のチェック
分かりやすいサイトがあります
この他にも、日本では主にWHOの診断基準(ICD-10)の「依存症候群」の診断基準が使われています
①飲酒への渇望
②飲酒コントロール喪失
③耐性
④離脱症状
⑤飲酒中心の生活
⑥否認
これらを過去1年間に3項目以上満たす場合を依存症と診断しています
アルコール依存症の原因

お酒に危険だ!と漠然に捉えている人は多い気がします
麻薬と共通する作用がある…と言われると少し見方も変わるかもしれません
アルコール依存症は飲酒する人なら誰しもかかる可能性のある脳の神経回路が関係する病気です
アルコール依存症となる原因には
大量飲酒
生まれつきお酒を分解する能力が高い体質
未成年からの飲酒などがあります
また、うつや摂食障害などの精神的な苦痛を和らげるために、薬代わりに飲酒していくうちに飲酒量が増えてしまい、アルコール依存症へとつながることもあります
アルコール依存症の症状
少量のアルコールは心筋梗塞を減らすなどの体に対し良い効果もあります
しかし、大量の飲酒を長期間続けると、理性では抑えがきかない強い飲酒欲求、お酒に対する慣れが生じてお酒の量が増えます
アルコールが抜けると神経のバランスが崩れて離脱症状(手の震え、幻覚などが出現する)のさまざまな症状が出てきます
また依存症の特有の症状として、飲酒による問題や依存症であることを否定する「否認」があり、受診や治療の妨げとなり悪循環に陥りがちです。
アルコール依存症の精神科の合併症では、うつやパニック、女性の摂食障害などが比較的多く見られます
合併症の存在は飲酒問題を悪化させるとともに、元の病気を悪化させる要因にもなっています
アルコール依存症の治療予防

アルコール依存症の治療の目標は断酒が原則です
軽症で合併症がない場合は飲酒量低減を目標とすることも許容されています
治療手法としては、カウンセリングや病気の教育、断酒を続けるための具体的な技術の習得、安心して断酒できる生活環境のサポートといった社会心理的治療が主になります
薬物療法は、離脱期に使われる離脱症状を抑える抗不安薬、離脱期終了後に使われる人工的に下戸にする「抗酒剤」や、飲酒欲求を抑える「断酒補助剤」などがあります
しかし、いずれも薬さえ飲めば断酒できるようなものではなく、心理社会的治療との組み合わせが必要になります
治療導入のタイミングは、早期の段階から周囲が積極的に依存症者や家族をサポートする手法が標準的になっています
また、医療機関以外で断酒継続に重要な組織としては、断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)といった自助グループがあります
自助グループは共通の問題を抱える依存症当事者が自由意志で参加し、対等な立場でコミュニケーションを行い回復していくための共同体で、断酒の為だけでなく、仲間との交流を通した心理・社会的な回復を図るための場としての役割も担っています

アルコール依存症の予防としては、まずは飲み過ぎないことです
男性の場合1日平均20g(ビール500ml)がリスクの低い飲酒の目安になります
また一旦依存症になった場合には、なるべく早く、軽症のうちに専門の医療機関を受診し、治療を受けることが大切です
ただアルコール依存症は治療を受けたとしても1年後には約7割の患者さんは元の大量飲酒に戻ると報告されているように、とても再発しやすい病気ですから、地域でどのように過ごされるかも重要です
1年後の再発率7割という数値はなかなかの高水準だと思いますそれだけこの病気を治すことの難しさを物語っています
意外に身近にも診断されていない依存症の人が隠れているパターンがあります
病は気から!なんて簡単に考えずに軽症のうちから治療を始めることを忘れずにいきましょう
「酒は飲んでも飲まれるな」という言葉はシンプルゆえに大切な言葉なのかもしれません
ではまた:-)
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