看護師と抑制のジレンマ【してもしなくてもクレームが来る問題】

看護師まとめ
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こんにちは、柊(ひいらぎ)です

病棟の看護師として働くなら誰もが”抑制するか否か”を考えさせれたことがあると思います

世間的にも「抑制をする」=「悪」

と捉えられがちです

抑制は本当に悪であるのか

看護師の業務と抑制についてまとめていきます

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看護師と抑制のジレンマ

そもそも抑制は何が悪なのか

それは人間の自由を奪う行為であるとされているからです

イメージすれば誰でも分かりますが、寝ている状況で手足を縛られたら水を飲みたくても飲めないし、身体が痒くてもかけません

この人としての“自由”を奪うことがQOLを著しく下げることにも繋がるのです

厚生労働省に「身体抑制ゼロ作戦推進会議」というものがあり、その中に「身体拘束禁止の対象となる具体的な行為」という項目がまとめられています

・徘徊しないように車椅子や椅子、ベッドに体幹や四肢を縛る

・転落しないようにベッドに体幹や四肢を縛る

・点滴、経管栄養のチューブを抜かないように四肢をひも等で縛る

・他人への迷惑行為を防ぐためにベッドに体幹や四肢を縛るetc…

まだまだあるのですが、この時点で抑制をしたことのある看護師はこれらのいずれかに該当する行為をしたことがあるのではないでしょうか

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抑制をするために必要なこと

抑制をするために3つの条件があります

1.切迫性抑制をしないと本人及び他者に被害がある場合
2.非代替性抑制をしないで済む方法を全て模索しないことを複数のスタッフで確認した上で行います
3.一時性継続しては行いません短い時間を想定して行います

これらに加えて身体抑制に関する同意書を本人及び家族からもらって行います

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抑制しないで済むならそれが1番

医療者の中に自分がしたいというだけで抑制をしている人はいないです(そう信じたい)

スタッフで連携して…

もっと患者と関わりを…

なるべく抑制をしないように…といいますが理想論ばかりでは限界があります

病棟の夜勤では2〜3人で何十人もの患者を見る必要があります

夜に1人で徘徊をする、点滴などの挿入物を自身で抜く人達が5人以上でもいたら中々厳しいものがあります

近くで見守っていないとすぐに動き出す、勝手に挿入物を抜く等されたら周りの患者を守ることは困難です

だからこそ、家族や本人に説明して抑制をするのです

ケアや関わりでどうにかできる段階とそうではない段階は確実にあります

患者を抑制しない→夜間勝手に徘徊する→転倒して骨折

患者を抑制しない→患者が挿入物を抜去→再挿入

これらは抑制をしておけば防げる事象です

「患者の抑制をやめてQOLを上げよう!」と試みても結局転倒事故が起きたら患者にとってマイナスになります

抑制反対派はそのリスクについてどう考えているのか疑問です

抑制をしていたという事実から訴えられるというケースも見られるようになりましたが

抑制を許可しないなら、

「転倒及び自己抜去等の事故が起きても病院及びは責任を取らない」

くらいは容認してほしいと強く感じます

抑制はしてはいけない転んでもダメ自己抜去もダメ

何かあったら全て看護師のせい

これでは酷すぎると思います

「抑制をしないでもケアはできる!」という人はおそらくしないと無理な現場で働いたことがないのでは?と感じます

する、しないの0か100ではなく

ケースバイケースで許容するというスタンスが必要になると感じます

患者を守るのは当然ですが、関わる医療スタッフも同様に守られるべき存在なのではないでしょうか

ではまた:-)

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